少し寒いときの夜ごはんは、からだが温まるものをいただくご家庭が多いでしょうか。
たとえば、湯豆腐など。
日本酒をお燗にして湯気のたったお豆腐をつまむ。
寒さでちじこまった体に温かさがしみわたっていき、心もほぐれます。
あぁ、日本人っていいねぇ、とおもわずうなるかも?
鍋物料理に合う釜屋新八
日本の冬の定番、鍋物料理にあわせるなら、このお酒がオススメですよ。
釜屋新八 特別純米酒(720ml 1,260円、1.8L 2,520円、300ml 515円(すべて税込))
ふだんいただく和食は、季節にとれる食材を塩、醤油、みそ、みりん、などの調味料を使って煮る、蒸す、焼く、あげる、などの調理法で、素材の味わいを大切にしたものが多いです。
繊細な味わいの食事をさらにおいしくするよう、この純米酒は香りをおさえた作りをしています。
香りが強いとのみあきてしまいます。
また、食事といっしょに飲むとき、お酒の味が甘めだとどちらもおいしくいただけません。
そこで、食事の最後までおいしく飲めて、あと口がキリッとさっぱりするように少ししぶめに、辛口に仕上げてます。
そして3年熟成させてまろやかになったころ、蔵から出荷しています。
少し専門的になりますが、しぼったばかりの日本酒は、まだアルコールの分子と水の分子が離れている状態。
ときをおいて熟成させると、アルコール分子のまわりを水の分子がやさしくつつみこみ、まろやかなかどが取れた味に。
これは、きちんとした造り、管理、そして良い原料が大切になってきます。
この状態になったお酒は、まろやかなので体に良くなじむので、悪酔いしません。
(おいしいので、ぐいぐいといきますが、できれば適量をおいしくいただきましょう!)
食事とお酒のベストマッチな体験をするには、ふつうに飲んでもよいですが、ぬるめのお燗が特にオススメです!
(温度は40~45℃くらい)
そこにあわせるつまみ、アツアツのおでんはいかかですか?
だいこん、はんぺん、がんも、たまご、など、うす味の出し汁がしみた色々な具材が食欲をそそります。
だいこんをひとくち、そしておちょこに温めたお酒をいただく。
口の中でおたがいの味わいがひろがってまじり合い、おもわず顔がにんまりと笑顔になる、そんな体験ができるでしょう。
釜屋新八をつくる蔵元は釜屋
お酒をつくる蔵元は、埼玉県騎西町にある釜屋さん。
寛延元年(1748年)の創業。

釜屋のホームページより引用

釜屋のホームページより引用
蔵の近くには、騎西城の跡地があります。
いつ誰が築城したかは不明ですが、上杉・長尾氏などが城を守っていたそうです。
下の写真は、跡地にたつ模擬天守閣。

騎西町のホームページより引用
騎西町は埼玉県北東部にある小さな町で、古くは私市(きさいち)と書かれ、道沿いに発達した市場町だったようです。
またお米と綿の生産が盛んで、特産の武州織物である青縞は騎西縞、めくら縞とも称されます。
当初は農家の副業として始まり、天明年間(1781~89年)には、3と8の日に青縞市が立つほどまでに成長しました。
取引市は後に加須に移りますが、青縞の生産はその後も続いて、やがて製糸産業へと移っていきました。
お酒の名前は、酒造りの初心を忘れずにの思いを込めて、初代蔵元さんの名前より命名しました。
近江の国(滋賀県)出身の小森久左衛門(初代釜屋新八)は、16歳の若さで郷里を後に行商の旅に出ました。
この方が書き残した家法書には、『商品の仕入れをおろそかにすることなく、良質の品を薄利で売ること、そしてお得意様の信用を売ることが家業を永続きさせるゆえんである』と書かれています。
酒蔵の蔵元と杜氏
現在の蔵元は小森行輝さん。創業から250余年となる12代目。
写真が小さいですが、貫禄と遊び心を感じるお人柄です。

釜屋のホームページより引用
下の写真はこの蔵の杜氏(とうじ)、松本杜氏さんです。
まだ30代の若さで、全国新酒監評会にて大吟醸で金賞を取るほどのお酒つくりのプロ。
この蔵の信念は、昔から受け継いできた酒つくりの伝統を、自社の体制を変えてまで守り、そして時代に合わせてより良くしていくこと。
それまではどちらかといえば、安くても酔えるお酒を多くつくっていました。
それをこの釜屋新八をつくろうとしたときに、生産量を減らしてまでも良いお米で純米酒をつくっていこう、と決意されました。
すごく大きな決意だったと思いますけど、その真剣さに動かされ、本気で酒屋をやっていこう!、と私が決意した原点のお酒でもあります。
当店では釜屋さんとおつきあいを始めて、今年で15年目となりました。
ちなみに、釜屋さん、以前は下の写真のような商品もつくっていました。
(蔵の資料館にかざってあった、力道山のポスター)